不動産クラウドファンディングの”大家.com”でSTOを導入-匿名組合出資持分の流動性を高める-

不動産投資型クラウドファンディングサービスの”大家.com”を運営する株式会社グローベルス(以下、「グローベルス社」)は12月14日12時から第1号案件の募集を開始しました。

株式会社日本保証との業務提携による買取保証や、グループ会社の株式会社プロスペクトの株主優待との連携など、先進的な取り組みが多く行われていますが、その中でも特筆すべき取り組みの1つが、株式会社LIFULLとSecuritize Japan株式会社が提供しているSTO(Security Token Offering)のスキームを導入している点です。

「大家.com」のサービスサイトはこちらから

STOの導入による流動性の確保

不動産特定共同事業方に基づく不動産投資型クラウドファンディングの投資においては、投資家は営業者兼不動産の物件保有者である第1号不動産特定共同事業者の組成した匿名組合の出資持分を保有する形となります。

従来の不動産投資型クラウドファンディングでは出資持分を譲渡したい場合、自分で譲渡したい投資家を探してきて、譲渡について営業者に対して申請を事前に受理してもらった上で書面で譲渡の手続きを行うことが一般的でした。運営会社側として不動産投資型クラウドファンディングサービスの運営を行っていた際の経験から言いますと、譲渡希望者と譲受希望者から譲渡の希望があっても、その申請の事前確認から書面の手続きや運営会社でのシステム上での譲渡手続きなどにこれまでは1ヶ月程度はかかる実態がありました。

今回の大家.comによるSTOスキームでは発行されたセキュリティトークンを活用して譲渡することで電子上で持分の譲渡を行うことができるようになります。

「大家.com」のサービスサイトより

留意事項としては、譲渡された先の投資家も営業者であるグローベルス社の匿名組合出資を行うため、事前に大家.comの各種事前同意書面に同意した上で投資家登録をしている必要があります。

STOを活用して出資の流動性を高めることで長期的な目線で対象不動産を運用していく投資型クラウドファンディングサービスが普及してほしい

これまでは不動産投資型クラウドファンディングの出資持分を運用期中に譲渡することが難しかったことから長期運用の案件が運営会社サイドでも組成しにくく、また投資が集まりにくい傾向がありました。

今後はSTOを活用して期中で投資家同士で出資持分を譲渡することが一般的に行えるようになったら、数年以上の運用期間の案件も組成されてきて、長期的な目線で不動産投資型クラウドファンディングの案件でも対象物件のバリューアップなどを行った上で投資回収していくモデルが出てくる可能性もあるかと思います。5年や10年を超えるような運用期間の案件であっても、現金が必要になった時にセキュリティトークンを二次流通市場のような形で形成された投資家同士のコミュニティの中で譲渡して現金化できるようになっていれば投資家も投資しやすく、運営会社も1年や2年では投資回収出来ないような不動産物件も案件の対象として検討していけるようになります。

将来的な不動産投資型クラウドファンディングの浸透に寄与していく可能性のある注目度の高い取り組みです。

New Frontier Funding編集部
編集部
多くの投資型クラウドファンディングサービスの立ち上げのための許認可の取得から事業運営までを手掛けてきたNew Frontier Capital株式会社・New Frontier行政書士事務所の編集部にて作成しております。

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